造形村のHOゲージ、0系新幹線のカプラーを改良しました。
お客様からご依頼されたものなのですが、当店では取扱いのないメーカーの製品なので初めて見ました。
さすがに4両セットにもなると箱は巨大ですね。
0系自体も造形村というメーカー名だけあって、良い感じでまとめられており見た目には不満点がありません。塗装の程よいツヤに惚れ惚れいたします。
見ているだけで店長も欲しくなってしまいました・・・。(笑)
しかしながら見た目は素晴らしいのですが、この連結方法だけはどう考えてもダメですね。
レールに乗せて車両同士を押し込んでも連結器自体がたわんで連結できません。
説明書に記載されているように車両を寝かしてから、写真のようにピンセットなどを使って連結させる必要があります。
2両や3両編成ならともかく、最大16両にもなる新幹線でこれはできません。
寝ている状態のものを全車両同時に起こすなんて、傷だらけになりそうで考えただけで恐ろしいことに・・・。
なんでこのような連結構造にしたのか不思議ですね、見た目は良いだけに惜しい製品です。
ただ、よくカプラーポケットを見るとヨーロッパ形のHOゲージと同じ構造をしており、差し替えが可能なようです。
中央の黒いカプラーがオリジナルのカプラーで、接点があるため電気的な接続が可能な通電カプラーです。
右下のカプラーがヨーロッパ形によく使われているカプラーで、ROCO社製のものです。
このROCOカプラーを2個つないでみると左上のように少し長いですが、流用は可能ですね。

というわけで、長さを少し短くなるよう加工してから取り付けてみました。
連結させた状態での見た目も、走行テストでも問題はありませんでした。
ただし、接点がないためカプラーを介した電気接続はできなくなりました。
調べてみると通電カプラーを使っているのはレールからの集電回路ではなく、DCC化した際にモーターに搭載されたデコーダーから先頭車のライトを制御するためだけの回路でした。
そこで、通電カプラーを止めた代わりに、各先頭車に単独でカトーのフレンドリーデコーダーをライト制御のため組み込んでみました。
DCCにしていない場合はデコーダーを組み込むかわりに、台車からの集電回路にコードをつなげるだけです。

写真のように先頭車単独でもライトが点灯するようになりました。
右側の写真はオマケです。裏側にあるスイッチをONにすると標準で光前頭が点灯するようになっていますね。
なんだかプラレールみたいで面白い機構です。
進行方向を後進にするとテールライトが点灯いたします。
お客様からのご要望により、ついでにテールライト点灯時は車掌室灯が点灯するよう加工しております。
ちなみに今回の加工料金は部品代込みで、カプラー交換が1か所2000円、先頭車のDCC加工が1両6000円、車掌室の点灯化が1両4000円で承りました。