バックマンのHOゲージ、SLの2トラッククライマックスを修理しました。
バックマンのHOゲージ、SLの2トラッククライマックスを修理しました。
お客様からの依頼で、ギアが空回りして動かないので、何とかして欲しいとのことです。
真横から見ると普通のSLではないことがよく分かりますね。
シリンダーからのロッドの力が直接動輪に行かずに、ギアを介してシャフトから動輪に行くようになっている「クライマックス式」というSLです。
とりあえず裏返してみました。
どのように動輪までつながっているかよく分かりますね。
普通のSLと違ってギアが要となっており、おそらくこの中のギアのどれかが空回りしているため動かないのだと思われます。
ギアボックスを開けてみました。小さなギアが重なり合っています。
こうしてみると実物と違って、模型ではシリンダーからシャフトへ動力が伝達されていないのが分かりますね。
おそらくモーターから直接ギアによって、ロッドと動輪につながるシャフトへ別々に動力が伝わっているようです。
ロッドは問題なく動くので、動かない原因はシャフト側のギアにありそうです。
説明書や分解図など頼りになるものが何もないので、ツメやネジの位置を勘で探りながらギアボックスが出てくるまで分解してみました。
ここまで分解しないとギアボックスが出せないのも問題ありですね。分解に関してはマイクロエースも顔負けの難しさです。
おかげでロッドの構造がよく分かって勉強にはなりました。
こちらが原因箇所だと見当をつけていたギアボックスです。
欠けていたり割れているものがないか調べてみましたが、この中のギアには問題はないようです。
油分とほこりでかなり汚れていたので、ついでに清掃しておきました。
ネジがついていたので外してみると中にもギアがありました。
モーターからの力をロッド側とシャフト側とそれぞれに伝えるために、かなり複雑な構造をしております。
これはHOゲージだからできる芸当で、Nサイズだとこうはいかないのでしょうね。
動かない原因はこのギアでした。
軸が緩んでギアが外れており、モーターが動いてても空回りする状態になっていました。
外国メーカー製なので当然スペアパーツもなく、同じギアを用意できないので瞬間接着剤を用いて固定しました。あまり力がかかる箇所ではないので、強度的にはこれで充分です。
分解した時と逆の手順で元通りに組み立てます。
さすがにロッドのまわりだけは複雑です。元の形を覚えていなければ戻すのは無理でしょうね。
普通のSLと違って、クライマックス式ならではのところです。
ここまで組み立てれば後は楽なものです。
シリンダーが元通りになると、ようやくSLらしくなりました。
シャフトに台車を取り付ける前に念のため通電チェックをします。特に問題もなく快適に動いたので、そのまま元通りに組み立てました。
完成後の試運転の様子です。
せわしなくロッドを動かしながら、快調に動くようになりました。
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