お客様からのご依頼でカトーのNゲージC62にサウンド付DCCデコーダーを組み込んでみました。
以前に当ブログでカトー製C62にサウンドデコーダーを組み込む記事を紹介したところ、組み込み方法など結構な量のお問合せをいただきました。
そこで今回は写真のように3台、別々のお客様から組込依頼を受け、まとめて施工させていただいた際の写真を交えながら、当店の組み込み方法を紹介いたします。

使用するDCCデコーダーはカトーでも取り扱っているMRC製の品番1637。Nゲージ蒸気機関車用です。当店でも10500円にて販売中です。
スピーカーが小さいのでHO用と比べると音が少し小さく、迫力に欠けるのが難点ですが、他に製品がないので仕方ありません。

まずはテスト用基盤を使って、DCCでの動作チェックを行います。
組み込んでから不良を発見したのでは遅いので、事前のチェックが欠かせません。アメリカ製の輸入品なので国産に比べると品質に疑いがあったりしますからね。

DCCデコーダーに問題がなければ、いよいよC62に組込みます。
モーターの端子とDCCデコーダーを結ぶために細いコードを動力ユニット本体に入れる必要があります。ボディを動力ユニットから慎重に外します。

動力ユニット上部にあるヘッドライトのユニットを取り外します。
コードを通す場所を確保するため動力ユニット上部にある小さなウエイトも取り外します。

ヘッドライトのユニットに金属の端子がハンダ付けされている場合は、これも外しておきます。
このC62はレール→ライトユニット→モーターという感じに電気が流れています。DCCデコーダーはレールとモーターの間に挿入してモーターを制御しますので、ライトユニットから端子を分離してレール→ライトユニット→DCCデコーダー→モーターという電気の流れに変更するわけです。

写真のように外した端子に細いコードをハンダ付けし、モーターに端子を接続。レールからの電気が流れている金属部品にモーター端子が接触しないようテープ等で絶縁しておきます。
このままライトユニットを取り付ければ本体の準備は完了です。

ボディを取り付ければ配線は、写真のようにテンダーをつなぐドローバーの根元に出てきます。
配線は2本までならキャブに穴を開けたりせずに通すことができます。さすがにこれ以上配線を通すとボディの加工が必要になりますので、ヘッドライトに関してはDCCデコーダーによる制御を省略しています。カトーのC62は煙突を回すとライトの消灯が簡単にできますので、無理にDCCによる制御はしなくてもOKだと思います。

次にDCCデコーダーとスピーカーを入れるため、テンダーを分解します。
カトーのC62のテンダーは写真のような構造となっております。ウエイトを抜けばスペースは確保できます。

ウエイトの前部にはドローバーの止め具と集電を兼ねた突起がありますので、これは生かしたいと思います。
そのために、写真の位置でウエイトを切断します。後部は使用しません。

テンダー側のドローバー挿入口にモーターからの細いコードを入れて、テンダーをドローバーで元通り連結します。
写真のようにコードはドローバーの両側の空間を利用して通ることになります。テンダーの台車が軽く動くように、コードが通る空間を開けるためカッター等で削っておきます。

切り取ったウエイトをテンダーに搭載して、ドローバーからの集電端子がきちんとはまっているか確認します。ここがちゃんとはまっていないとショートしてしまいますので、念入りにチェックします。
集電性能を上げるため、テンダー側の集電シューにもコードをハンダ付けしておきます。
写真には写っていませんが、テンダーの底に小さな穴をピンバイスでいくつか開けておくと、少しですがサウンドが大きくなります。

写真のようにウエイトへテンダーの集電シューからのコードを接続し、DCCデコーダーの赤色と黒色のコードへハンダ付けすればレールからの集電は完了です。
あとはモーターからのコードをDCCデコーダーの灰色とオレンジのコードにハンダ付けすれば、モーターとの接続も完了です。
DCCデコーダーの残りの線は今回は配線しませんので、コードを短く切ってからテープ等で絶縁しておきます。
写真のように現物あわせでテンダー上部のパーツを切り取り、DCCデコーダーとスピーカーが入るように調整すれば完了です。
少し手間はかかりますが、これでC62へのサウンド付DCCデコーダーの組み込みはできました。
後は動作チェックの後、DCCの設定を変更すれば完成です。当店のデモ車両とあわせて4両のC62が勢ぞろいです。Nゲージのような小さな機関車でも、重連させればサウンドの迫力はものすごいですよ。
こちらの内容でのカトー製C62へのDCCデコーダー組込みですが、当店でデコーダーを購入していただければ5000円にて作業を承っております。
デコーダーとあわせて合計15500円でC62をサウンド化してみませんか?