LEDの点灯ユニットに定電流ダイオード(CRD)を利用しない理由。
今日は久しぶりにお客様からの質問にお答えしたいと思います。
当店のオリジナル商品や加工した車両のLED点灯ユニットに、定電流ダイオード(CRD)を利用しないのはなぜか? と最近よく聞かれます。
おそらく雑誌やインターネットの紹介でLEDには定電流ダイオードが必要と、よく書かれているからだと思いますが、当店では以下の理由によりカーボン抵抗で代用しています。
理由1:コストの問題。カーボン抵抗に比べて定電流ダイオードのほうが仕入値で10~20倍ほど価格差があるからです。
理由2:回路が複雑になる。カーボン抵抗は+-の向きがないので融通が利きますが、定電流ダイオードは向きが決まっているため導入しにくく、回路が複雑になる傾向にあります。
理由3:Nゲージでは定電流ダイオードに対して明るさで優位性を感じられないため。これが理由として最も大きいかもしれません。
これを証明するためにトミックスのキハ58(初回生産品)を使って、LEDユニットを取付けて実験してみました。
電圧を変えて
撮影しました。
左側のキハ58が定電流ダイオードを使ったLEDユニットを装備、右側のキハ28がカーボン抵抗を使ったLEDユニットを装備しております。左右のレールにはひとつのパワーパックからコードを分岐して電気を供給しており、並んでいる車両には同じ電圧が流れております。左の写真から順に4V・6V・8V・10V・12Vの電圧が流れている状態です。
写真を見ていただけると分かると思いますが、定電流ダイオードでもカーボン抵抗でも光り方にほとんど差はありません。両方とも4V以下ではLEDは消灯しており、一番左の4Vの状態で微妙に点灯しています。8Vくらいまでは電圧による明るさの変化が見られますが、それ以上だと12Vまで明るさはほとんど変わりません。
一般論として定電流ダイオードのほうが低速から明るいと言われますが、Nゲージ車両が動くほどの電圧ではほとんど差がないはずです。
というわけで当店ではコストが高いうえに回路が複雑になる定電流ダイオードは使用しておりません。見た目の効果が同じならば、カーボン抵抗のほうが安価で使いやすいから当然ですよね。
但しカーボン抵抗にはひとつの大きな欠点があります。
それは抵抗値を計算しなければならない面倒さです。こればっかりは定電流ダイオードのほうが楽ですが、計算式を覚えてしまえばOKなので、たいした欠点にはならないでしょう。
ここからはオマケです。
実験中にトミックスの新製品キハ58と当店で白色LED化した旧製品を並べてみました。
左が白色LEDが標準装備の新製品キハ58、右が電球による点灯だった製品を当店で白色LED化した初回生産品のキハ58です。
それぞれ前照灯と尾灯の点灯状態を比較したのですが、白色LED標準装備の新製品のほうが明るさが暗いですね。もとは同じような明るさの白色LEDを使っていると思いますので、暇ができたらその原因を探ってみたいと思います。
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