HOゲージ外国形車両をメルクリン式の3線ACから2線DC化しました。
HOゲージ外国形車両をメルクリン式の3線ACから2線DC化しました。
お客様からの依頼で時々行っている改造です。メルクリン式の3線ACを簡単に説明しますと、写真のようにレールの間に3本目の線路が隠れており、両側のレールとこの3本目の線路から交流の電気で走行するシステムのことです。
2線DCとはメルクリン以外の多くのメーカーが採用している方式で、左右のレールに直流の電気を流して走行するシステムであり、カトーやトミックスなどのNゲージはこちらになります。線路からモーターまでのメカニズムは異なりますが、3線ACも2線DCもモーターに電気を流して走行するという点では同じで、電気の流れ方を変えてあげれば理論上はお互いに改造が可能です。
但し、何でも2線DCに改造ができるというわけではなく、当店では以下の条件にあたる場合のみ1両5000円にて請け負っています。
1.左右の車輪が絶縁されていること。
2.モーターが+と-の2極で動作する仕様であること。
この条件はこれまで30台近く2線DC化してきた経験上、メルクリン製の車両はほぼ不可、メルクリン以外の車両でDC仕様とAC仕様が併売されている場合はほぼOKです。
ちなみに今回作業したのはフライシュマン製の3線AC仕様で、2線DC仕様の製品をベースに作られているため改造は容易です。
3線ACの一番の特徴は写真のように車輪の間に、3本目の線路から電気を集電するためのシューがあることです。
2線DC化するとこの部分は不要になりますので、まずは撤去いたします。
車体を分解するとこんな感じです。
外国型の場合は写真の車両のように、国産品と違って大胆な構造になっている場合があります。
HOゲージは各部品が大きく、内部にもスキマがありますのでNゲージより楽に作業ができます。
3線ACの場合、交流の電気を扱いますので2線DCでは見られないものがあります。そういうもののひとつに写真の機械式逆転機があります。
これはモーターのようにも見えますが、モーターに流す電気の極性を変える装置です。こちらも不要なので撤去いたします。
あとは車輪からの集電コードを、それぞれモーターへの端子に接続するだけです。といってもこの作業は車体の構造を見ながら、ショートしないように配線を考える必要がありますので結構大変です。
集電シューや機械式逆転機など3線AC用の装置が撤去されて、無事に2線DC化されました。
車輪の間にあったシューがなくなっていますね。
2線DC化の作業が完了してカトーの線路を快適に走っております。
ちなみに車体のDBとはドイツ鉄道のマークで、日本でいえばJRマークのようなものです。この車両は120型といってイメージ的にはEF200のような機関車です。ドイツの機関車に詳しい方には分かっていただけると思いますが・・・。
« 当店オリジナル商品のPWMパワーパックを量産中です。 | トップページ | 展示用ショーケースの車両を入れ替えました。 »
「製作日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 先週の定休日に京都をいろいろ回りました。(2025.01.30)
- 生まれて初めて三岐鉄道に乗車してきました。(2024.12.12)
- 2024年を振り返って・・・。(2024.12.31)